学童保育の料金はいくらかかる?公立や民間の特徴についても解説
子どもの小学校入学を迎えるにあたり、放課後の預け先を悩んでいる保護者の方もいるでしょう。共働き世帯が増加している近年では、学童保育を利用する保護者の方も増えています。しかし、学童保育を利用すると、どのくらいの料金がかかるのか不安になる方も多いのではないでしょうか。
中学・高校・大学と比較すると教育費が抑えやすい小学生の頃は、できるだけお金を貯めたい時期です。そこで本記事では、学童保育の種類・特徴・料金などについて解説します。学童保育の利用をお考えの保護者の方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
目次
1.学童保育とはどのような施設なのか
1-1. 学童保育の役割とは
1-2. 学童保育の登録児童数・待機児童数
2. 学童保育の種類と特徴
2-1. 放課後児童クラブ
2-2. 放課後子ども教室
2-3. 民間学童保育
3. 学童保育の料金相場はどのくらい?
3-1. 放課後児童クラブ
3-2. 放課後子ども教室
3-3. 民間学童保育
4. 学童保育料の減免・免除制度
5. 学童保育施設を選ぶ際の4つのポイント
5-1. 学童保育の立地
5-2. 利用できる時間
5-3. 学童保育に何を求めるのか
5-4. 学童保育施設の雰囲気
6. まとめ
1. 学童保育とはどのような施設なのか
学童保育とは、どのような施設で、利用している児童はどのくらいの数になるのでしょうか。ここでは、学童保育の役割や登録児童数・待機児童数などについてご紹介します。
1-1. 学童保育の役割とは
学童保育とは、小学生の子どもを預ける施設のことで、放課後や土曜日、長期休みに共働き世帯を中心に利用されます。正式名称は「放課後児童健全育成事業」で、厚生労働省が管理して地方自治体が運営している事業です。最近では、共働き世帯の増加で学童保育の需要が高まり、早朝と夜の延長保育や夕食の提供など、働く保護者のニーズに応えた運営をしている民間企業や学校法人も増加中です。厚生労働省「学童保育の目的・役割がしっかりと果たせる制度の確立を」の資料には、「年間278日、1,650時間におよぶ家庭に代わる毎日の生活の場として、成長期にある子どもたちに安全で安心な生活を保障することが学童保育の基本的な役割」と記載されています。具体的には、学童保育指導員が自主学習や遊んでいる児童たちにトラブルが起きないように見守るなどのサポートを主に行っています。
1-2. 学童保育の登録児童数・待機児童数
学童保育施設数は全国で増えています。しかし、厚生労働省「令和4年(2022年)放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」では、登録児童数が過去最高の139万2,158人となり、待機児童数も前年より多い1万5,180人となっており、多くの児童が学童保育を利用できていないのが現状です。また、公立の学童保育施設では、利用場所の面積や指導員の配置人員数などにより、児童の受け入れ可能人数の上限が定められているため、住んでいる地域でも待機児童数は異なります。このことから、お住いの地域に利用可能な民間学童があるか、事前に確認しておくとよいでしょう。
2. 学童保育の種類と特徴
学童保育施設は公立と民間がありますが、運営方法は違います。どちらも放課後や長期休みに子どもを預けられる施設です。ただし、名称や特徴が異なるため、それぞれ解説していきます。
2-1. 放課後児童クラブ
放課後児童クラブは、厚生労働省管轄のもと自治体・社会福祉法人・NPO法人などの民間団体・民間企業などが運営しています。児童クラブ・学童クラブ・学童保育などと呼びますが、どれも児童福祉法における「放課後児童健全育成事業」の通称です。
職員は、放課後児童支援員や放課後児童指導員として保育士や社会福祉士などの資格の保有者と、それに準じた補助員で構成されています。設置場所は、学校の空き教室や学校敷地内の専用施設・児童館併設など小学校区内が多く、校内から出ることなく学童に移動できます。原則250日以上開所し、長期休暇中も利用できます。
利用時間は、平日の放課後から18時もしくは18時半まで利用でき、自治体により19時まで延長保育を実施しているところもあります。
2-2. 放課後子ども教室
放課後子ども教室は、文部科学省が管轄のもと大学生や地域の高齢者・民間教育事業者・NPO法人・文化芸術団体などのさまざまな地域人材の協力で運営しています。放課後児童クラブと学童保育の違いは、すべての児童が利用できることです。また、地域住民がサポートとして加わる点も放課後子ども教室の特徴といえるでしょう。具体的な活動内容は、放課後に空き教室などを利用した学習支援やスポーツや体験活動などです。
実施日は、地域によって異なりますが、年間の平均開設日数は110日程度です。定期的かつ継続的に開催している放課後子ども教室もあれば、不定期開催の教室もあります。開設時間は、放課後児童クラブと比べると短いため、フルタイムで仕事をしている家庭は「放課後子ども教室」だけに頼るのは難しいかもしれません。
2-3. 民間学童保育
学校法人や民間企業が運営しているのが民間学童保育であり、年齢制限や保護者の就労有無などの条件がなく利用できます。民間学童保育では英会話・ピアノ・プログラミング・ダンスなど、施設ごとに特色のあるサービスを提供しています。
また、自宅や他の習い事までの送迎サービスや、夜遅くまでの延長時に夕飯や入浴ができるオプションなど、働く保護者のニーズに応えた運営をしているところが多いのが特徴です。職員は、保育士や幼稚園教諭などの資格保持者が雇用されていることが多いため、学びの場として学童を利用したい場合に適しています。民間学童保育の設置場所はさまざまですが、子どもが通う学校が送迎対象であることに注意して検討するとよいでしょう。
3. 学童保育の料金相場はどのくらい?
学童保育の種類や特徴についてご紹介しましたが、利用する料金はいくらかかるのでしょうか。学童保育の料金は、公立か民間か、またお住いの自治体でも違いがあるため、ここでは学童保育施設別に料金相場ついて解説します。
3-1. 放課後児童クラブ
厚生労働省「令和4年(2022 年)放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況 」では、月額料金は2,000円未満〜20,000円以上のところもあり、自治体でかなり差があることが分かります。最も多いのは4,000円〜6,000円未満で27.5%、次に6,000円〜8,000円未満の20.9%、2,000円~4,000円未満が16.5%となっており、平均すると3,000円〜7,000円ほどです。また、半数以上の施設では、月額料金のほかにおやつ代などがかかります。
夏休み・土曜日・延長保育などを利用する場合は、利用する施設により2,000円前後の料金が必要になることもあるため、事前にお住いの自治体に確認しておくと安心です。
3-2. 放課後子ども教室
文部科学省「放課後子供教室の概要」では、実費以外は原則無料ですが、自治体により数千円程度の料金がかかります。ほかにも登録時の保険料、おやつや工作費用などの実費負担が必要です。さらに、夏休みなどの長期休みに利用する場合は、自治体により2,000円前後の料金がかかる場合もあります。
また、「放課後児童クラブ」「放課後子ども教室」の一体型・連携型の運営の場合は、放課後子ども教室のみの利用でも放課後児童クラブと同一料金になることもあるため、お住いの自治体に確認しましょう。
3-3. 民間学童保育
民間学童保育の場合は、運営する企業で月額料金も大きく異なります。月額料金の相場は週5日利用の場合は、地域によりますが2万円〜7万円ほどかかるのが一般的です。また、夏休みなどの長期休みは、追加で3万円程度の費用がかかる施設もあります。
月額料金以外にも入会金が1万円〜6万円ほどであり、年会費や維持管理費・入会セットや、送迎費用・延長保育・送迎・食事の提供などのオプション費用が別途必要です。民間学童保育は、少人数制やオールイングリッシュの場合などサービス内容が充実しているほど利用料金は高くなります。民間学童保育の利用を検討する際は、各施設の特徴やサービス内容を確認しましょう。
4. 学童保育料の減免・免除制度
お住いの地域や施設によっては特定の条件を満たす場合は、学童保育料の減額・免除制度が利用できます。厚生労働省「放課後児童クラブについて」では、減免措置を実施している放課後児童クラブは86.3%です。学童保育料の減免制度を利用することで半額や全額免除、収入に応じて複数段階で減額などの一定割合の減額措置を受けられます。利用料減免の対象となるのは以下のケースです。
・生活保護受給世帯
・市町村民税非課税世帯
・所得税非課税世帯
・就学援助受給世帯
・ひとり親世帯
・兄弟姉妹利用世帯
減免か免除になるかは、自治体により異なります。さらに、減免制度の利用には、学童保育施設かお住いの自治体へ減免申請が必要です。減免申請は、就労証明書や確定申告書などの書類を求められることもあるため、あらかじめ電話などで確認しておくとよいでしょう。
5. 学童保育施設を選ぶ際の4つのポイント
学童保育は施設によりそれぞれ特徴が異なるため、目的・状況・子どもの状況に合わせて選ぶことが重要です。ここでは、学童保育施設を選ぶ際のポイントを4つご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
5-1. 学童保育の立地
公立学童の場合は、学校や自宅の近隣にありますが、子ども自ら通う場合は、学校から学童保育、学童保育から家までの道順や距離を確認し、事故などの心配がないか確認しておきましょう。また、民間学童を検討する場合は、家と学校、家からの導線に無理がないか、送迎サービスがあるかなどを確認しておくことが大切です。
設備やプログラムがよくても家に帰るまで時間がかかるような場所であれば、子どもの負担が大きくなります。そのため、無理なく通える施設で検討するのがおすすめです。
5-2. 利用できる時間
公立の学童保育でも、施設により19時頃まで延長して預けられる場合があります。しかし、19時以降の延長はできないため、仕事が忙しい方は民間学童を利用するのがおすすめです。民間学童の場合は、施設にもよりますが22時まで利用できるところもあります。また、遅くまで利用可能な施設の場合は、送迎サービスがあるかどうかも確認すると安心です。
ほかにも土曜保育は必要か、夏休みなどの長期休みの利用時間はどうかなど、働き方に合わせて選ぶようにしましょう。
5-3. 学童保育に何を求めるのか
学童保育で何を経験してほしいのか、子どもがどのように過ごしたいと考えているのかでも利用する施設が変わってきます。学校のお友だちと楽しく過ごしたいのであれば、公立の学童保育が最適です。楽しい学びを体験させたいなら、英会話やスポーツなどの学習プログラムが用意されている民間の学童保育のほうがよいでしょう。民間の場合は、学童保育内で学習プログラムがあるので安心して子どもを預けられます。
公立か民間、どちらがよいか子どもの意見を尊重しながら施設を選ぶこともポイントです。
5-4 学童保育施設の雰囲気
学童保育を選ぶ際には、雰囲気や児童支援員の接し方が子どもに合っているかも重要です。施設により行事に力を入れているところもあれば、子どもたちの自主性に任せているところもあります。そのため、検討している施設が、子どもが馴染める場所であるかがポイントです。
施設を選ぶ際は、見学や無料体験を活用して子どもたちが楽しそうに過ごしているか、子どもと遊ぶときや注意するときの指導員の指導の仕方もチェックしておきましょう。
まとめ
学童保育は家庭の代わりに安心して過ごせる生活の場所として、働く保護者にとって心強い味方です。公立や民間の学童がありますが、予算や利用のしやすさ、提供されるプログラムなどを考えて子どもや保護者がよいと思える学童を選びましょう。
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