中学受験に英語力は必要?求められるレベルや効果的な学習方法も解説
従来の中学入試は、国語、算数、社会、理科の4科目が主流でした。しかし、近年では、多くの私立中学が受験科目に英語を取り入れています。将来、お子さんに中学受験をさせる予定の保護者の方の中には、そもそも中学受験にどれだけの英語力が必要なのか疑問に思っている方もいるはずです。
実際に、2024年には142校の市立中学校にて入試に英語が導入されています。背景の1つに、2020年度から小学校3年生以上で英語が必修科目となったことが挙げられます。
本記事では、中学受験に英語力が必要な理由、中学受験における英語の重要度、求められるレベル、効果的な学習方法について解説します。
目次
1. 中学受験において英語はどれくらい重要?
2. 中学受験に英語力が必要な理由
2-1. 中学受験に英語科目を採用する学校が増えている
2-2. 今後さらにグローバル人材の需要が増える可能性がある
2-3. 進学後の学習に影響する
3. 中学受験で求められる英語力のレベル
3-1. まずは小学校レベルの基礎を固める
3-2. 受験する中学校の方針に合わせて学習する
3-3. 英検による優遇を受けられることもある
4. 中学受験対策として効果的な英語の学習方法
4-1. 単語を覚える
4-2. 問題集や過去問題を活用する
4-3. 英会話スクールや英語学童に通う
5. まとめ
1. 中学受験において英語はどれくらい重要?
前述したように、2020年から小学校でも3年生から英語=外国語活動が必修科目に加えられました。
外国語活動は、2011年から小学校5、6年生を対象にした英語の基礎を作る科目として導入されてきましたが、2020年には対象が3、4年生にまで引き下げられ、より早い段階での英語能力の向上が期待されています。
小学校において英語を必修になった理由として、文部科学省は「外国語によるコミュニケーション能力は、これまでのように一部の業種や職種だけでなく、生涯にわたる様々な場面で必要とされることが想定され、その能力の向上が課題となっている」と述べています。
早い段階で英語に触れることにより、英語能力だけではなく、積極的にコミュニケーションを計ろうとする態度や、情報や考えを適切に考える能力の向上を目指しているといえるでしょう。
今後、国はより英語学習の強化に動くことが予想されるため、入試科目として英語を導入する私立中学も増える可能性もあり、中学受験において英語科目は重要であるといえます。
2. 中学受験に英語力が必要な理由
中学受験に英語力が必要な理由として、以下の3つが挙げられます。
- 中学受験に英語科目を採用する学校が増えている
- 今後さらにグローバル人材の需要が増える可能性がある
- 進学後の学習に影響する
ここでは、それぞれの理由についてさらに掘り下げて説明します。
2-1. 中学受験に英語科目を採用する学校が増えている
中学受験に英語科目を採用している市立中学校は、2016年時点では64校でしたが、2024年には142校にまで増加しました。
現時点で英語を入試科目に設定していない学校もありますが、今後導入に動く可能性はあるため、状況を注視する必要があります。
動向次第では、入試に英語科目がない学校を探す方が難しくなることも考えられます。中学受験を検討しているなら、英語力を向上させることで、受験校の選択肢が広がるでしょう。
2-2. 今後さらにグローバル人材の需要が増える可能性がある
社会において、英語能力が求められる場面は年々増えています。
英語力をはかる有名なテストの一種「TOEIC」の運営団体である国際ビジネスコミュニケーション協会が2019年に行った英語活用実態調査によれば、「人材採用時、配属部署の決定や異動時に、一定の英語能力が求められる」と回答した企業や団体は、全体の18.0%にのぼりました。今後はこの割合が増えていくと予測されており、英語の需要はますます高まっていくでしょう。
日本の企業や学校においてもグローバル化が進んでおり、日本語を母国語としない人とコミュニケーションを取る必要がある場面は今後も増えていくはずです。このため、中学受験で英語を取り入れる学校が増加していくことも予想されます。
また、それに伴い公立の中学校でも英語の授業レベルが上がっていくことが考えられるため、早めに対策をしておくことが効果的です。
2-3. 進学後の学習に影響する
中学受験で英語力が求められる他の理由として、進学後の学習に影響することが挙げられます。入学後の授業についていけなくなることを避けるためにも、合格できるレベルの英語力が必要です。
たとえ入試科目に英語がなくとも、ある程度の対策をしておきましょう。
中学校で習う英語は、小学校で学ぶものと比べると、かなりハイレベルです。基礎となる部分、つまり小学校で学ぶ程度の知識が確実に身についていないと、中学校の内容も理解しにくくなります。
基礎ができていることにより、スピーキングやリスニング、ライティングの分野でも応用が効くので、腰を据えて取り組みましょう。
3. 中学受験で求められる英語力のレベル
中学受験で求められる英語力のレベルは、現状は中学卒業相当である英検3級合格程度となっています。また、中学受験で求められる英語レベルは年々高まっており、既に高校卒業レベルである英検2級や準1級を求める学校も出てきています。
私立中学・高校ならではの特殊な事情として、公立学校のカリキュラムと比較してレベルが高い授業を行うことが挙げられます。中高一貫校の中には「高校1・2年生までで高校3年生の内容を終わらせ、残りの時間は受験対策を行う」など、勉強の進度がかなり早い学校も珍しくありません。
中学校に入ってからの負担を軽減するためにも、中学受験までに以下の対応をしておきましょう。
- まずは小学校レベルの基礎を固める
- 受験する中学校の方針に合わせて学習する
- 英検による優遇を受けられることもある
これらの対応をしておくことにより、中学受験で有利に働くだけでなく、将来的にも役立つ英語力が身につきます。
3-1. まずは小学校レベルの基礎を固める
中学受験の前に、まずは小学校で習う英語の基礎を固めておきましょう。わかりやすい尺度として実用英語技能検定(英検)の級を用いて説明します。
小学校レベルの英語力と言われるのは英検5級・4級程度で、私立中学校によってはこのレベルの入試問題を出題することもあります。
一方で、英語に力を入れている私立中学の場合、ある程度の英語力がある生徒を入学させたいという背景から、入試問題でも英検3級レベルの問題が出題されることが珍しくありません。そのため、より高いレベルでの対策が必要になるので注意しましょう。
今後はさらに高いレベルの問題が出題される傾向となることも予想されるため、英検準2級レベル以上の英語力を身につけておくと、中学受験でかなり有利に働くでしょう。
他の科目をおろそかにするのは好ましくありませんが、できる限りの対策を行うことにより、希望通りの進路に進める可能性が上がるので、取り組んでみる価値はあります。
3-2. 受験する中学校の方針に合わせて学習する
中学校によって出題される問題も違えば、求められる英語のレベルも異なるため、過去の出題傾向に沿った対策が必要です。志望校の過去問題を購入し、学校に合わせた対策を行うことにより、合格の可能性が上がるでしょう。
ただし、過去問題の英語のレベルに合わせて対策をしても、実際に受験する際はより高いレベルの問題が出題される可能性もあることに注意しましょう。
必ずしも過去問題と同じレベルの問題が出題されるとは限らないので、どの問題が出題されても解けるように学習しておきましょう。
3-3. 英検による優遇を受けられることもある
学校によっては、英検(実用英語技能検定)の合格者に対し、優遇及び加点措置をしてもらえる場合があります。
例えば「英検準2級以上の場合は試験の点数に関わらず、英語の試験は満点を獲得したものとして合否判定を行う」といった扱いが定められていることもあります。
そのため、可能であれば中学受験までに英検を受験し、合格しておくと有利に働きます。
また、出題内容について学校側から「英検〇級以上の英語力をもつ子どもが対象」と指定されているケースもあるため、どの程度の英語力を身につける必要があるかの参考にしましょう。
年度によってレベルが変動する可能性があるので、常に最新の情報を入手することをおすすめします。
4. 中学受験対策として効果的な英語の学習方法
中学受験を控えて、どのように英語を学習すれば良いかわからない保護者の方に向けて、以下の流れで学習方法を紹介します。
- 単語を覚える
- 問題集や過去問題を活用する
- 英会話スクールや英語学童に通う
4-1. 単語を覚える
英単語を覚えることは、英語学習において基本であり、中学受験でも重要な要素となります。できるだけ多くの単語を覚えておきましょう。
単語を覚えるための具体的な方法として、市販の単語帳や自分で作る単語カードを使って、何度も反復練習すると効果的です。
また、文字だけで覚えようとすると忘れやすいため、イラストと一緒に覚えたり、発音をしながら覚えたりと、五感を使う工夫をしましょう。
単語を覚えておくことで、文全体の意味がわからなくても、断片的に意味を理解して答えを導けることもあります。学年によって覚えるべき単語は異なりますが、抜け・もれが生じないよう、着実に覚えましょう。
4-2. 問題集や過去問題を活用する
問題集や過去問題を利用し、実戦的に問題を解いていくことで実力がつきます。
特に、過去問題は志望校の出題傾向を確認できるため、保護者の方が子どもと一緒に分析をして対策をすることが重要です。
志望校調査に基づいた対策をせず、「おそらくこの問題が出るだろう」と想定して学習をしていると、対策できていなかった部分が浮き彫りになります。もし対策が不十分な部分から出題された場合、思うように得点できず、残念な結果になってしまうかもしれません。
せっかく試験勉強をしているにもかかわらず、学習範囲が足りずに試験に落ちてしまうのはもったいないことです。
過去問や問題集を購入し、志望校に合格できるように学習を進めましょう。
4-3. 英会話スクールや英語学童に通う
既に英語入試においては筆記試験だけではなく、スピーキング試験や英語面接、プレゼンテーションといった、アウトプット力を求める学校も増加傾向にあります。
英検対策のような問題を解くためだけの英語力では不十分になりつつあります。
そのため、英会話スクールや英語学童に通うことにより、実際にコミュニケーションとして活用できる英語力が一層求められます。
特に、ネイティブ講師が常駐している英語学童であれば、本場の英語に長い時間触れながら、基礎から学ぶことができます。英語のみを使用して過ごす環境が整っているため、自然と英語が身につきやすく、コミュニケーション能力も飛躍的に向上するでしょう。
英語を使用して別科目の学習を行う英語学童もあるので、他科目の対策が同時にできるというメリットもあります。
中学受験対策だけでなく、一生使える英語力を身に着けられることも魅力的です。
まとめ
中学受験において、英語を試験科目に設定している学校は増加傾向にあります。また、学校によっては、小学校の授業で習う英語以上のレベルを求められる場合もあります。
また、英検のような問題を解くための英語力ではなく、コミュニケーションとしての英語力も求められる傾向が一層強まるでしょう。
この記事で紹介したように、過去問題を使用して家庭や塾で対策することに加え、英会話スクールや英語学童を活用して英語力向上を目指しましょう。特に重要なのは、通いやすい英語学童を選ぶことです。
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外国人講師が常駐しているため、本場仕込みのしっかりとした英語力が身につきます。
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